めっきり秋も深まり、朝夕の冷え込みが気になるこの頃です。
皆様、いかがお過ごしでしょうか? 通勤電車内でも、湿性咳(痰を伴う湿った咳)や、鼻水が飛び散るような大きなくしゃみをされている方を散見するようになってきました。
今回は、冬に集団発生するインフルエンザ(流行性感冒)とその感染防止についてお話します。
インフルエンザに代表される呼吸器感染症の主な感染経路は、飛沫(ひまつ)感染です。
咳やくしゃみによって、病原体を含んだ気道分泌物の小粒子が口や鼻から空気中に飛散されます。1回の咳で約10万個、くしゃみで約200万個とも言われ、飛沫の到達距離は2m程度です。この飛沫を鼻や口から吸い込むと、上気道粘膜でインフルエンザウイルスが増殖を始めて、潜伏期間に入ります。これが ”うつった”ということです。
ところで、手を拭くためにハンカチやタオルを携帯していることはよいマナーなのですが、見た目は汚れていなくても、病原体が付着して不潔になり易い場合があります。そのため感染防止の観点からは、布製のハンカチやタオルであればまめに交換すること、あるいは、使い捨てのペーパータオルを活用するなど工夫が必要です。
そのほか、インフルエンザの発症予防に役立つこととして、予防接種を受ける、疲れすぎない、適度な室温と湿度を保つ、人混みを避けてマスク着用する、手洗いとうがいを励行するなど、普段から実行できることがあります。
では、インフルエンザの流行に備えて準備を始めましょう。厚生労働省の HP を紹介します。昨年冬の情報で、役立つ内容です。http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/influenza/
和歌山県立医科大学地域・国際貢献推進本部地域医療支援センター
北野 尚美